Works of Art

箱

Box

クラフトマンの技

平成9年、創業90周年を記念して、クラフトマンたちが、伝統と創造で培い磨き上げてきたミキモトのジュエリーづくりの技を活かし、“箱”をテーマに製作したものです。

K18製 ムーンストーン・シトリンなど

万華鏡、ステンドグラス、花火、宇宙などをイメージし、多彩な色彩の貴石や半貴石などを用いて製作した作品です。ものを閉じこめるための箱ではなく、想いを解放するような空間をつくりたかったという作者の気持ちが球形の器に反映されています。テクスチャーを多用した外面と対照的に、内面は鏡面仕上げにし、透かしや色石を通して光が反射するイメージ豊かな空間作りを目指した作品です。

K18・Pt製 
トルマリン・ダイアモンドなど

色とりどりの寄せ植えの花籠をイメージしたポプリケース。見て、触れて、さらに香りを楽しむという趣向の作品です。編み籠をイメージしたケースの網目からは、目に鮮やかな瑠璃色の硝子が覗いて見えるよう工夫されています。技術的には、蜜ろうを使ったロストワックス鋳造、スピニング加工、彫金技術を用いています。また、全体の構成から、花弁ひとつひとつの位置決めまで幾度となく組み上げ、分解、接合作業を繰り返し、すべてをパーツ化した接合方法をとり、貴石と金属の調和を大切に作り上げています。

銀・K20・Pt・K18製
黒蝶貝真珠・ダイアモンド

伝統的な金細工技法を駆使して、かすかな月光に紅白の梅の花が浮かんで見える情景を創作した作品。箱の部分は銀で、鎚金(ついきん)技法と鑞付(ろうづけ)技法を用いています。梅の樹木は20金、紅い花は18金ピンクゴールド、白い花はプラチナ950を用い、蕾や花弁には夜露を思わせるダイアモンドが輝くという手の込んだ作品。黒蝶貝真珠で表現した月が、優しく梅の木を見守るような印象です。

K18・Pt製 ダイアモンド・ルビーなど

ろう型鋳造技法を用いて、蜜ろうで原型をつくるひねりものという方法を使用した作品。蜜ろうの持つ流動性、伸延性のある材質感をいかし、“ひねり”の面白さを表現するために自由な曲線の組み合わせを駆使して立体を構成しています。金属でありながら、柔らかさを感じさせたいという作者の意図がいきた作品です。

K18・WGK18製
ダイアモンド・アコヤ真珠など

夕暮れ時、月光に照らされてほのかに光るあやめをイメージした作品。あやめをホワイトゴールドで表現し、その背景には夜へと移り変わろうとする夕暮れを表わすため、木の器に漆を塗ってあります。さらにアクセントとして切嵌象嵌(きりばめぞうが)で見事な文様が施されています。

K18・Pt製 淡水真珠・ダイアモンド

全体は、鳥達が安穏に集える理想郷のような森のイメージ。よく見ると、葉の部分は羽根の柔らかい感覚で表現してあるというファンタスティックな趣向も凝らした作品です。周りにちりばめたダイアモンドは雫を表し、生き物にとって必要な水を象徴しています。

K18・銀製 アコヤ真珠・サファイアなど

『ラッピングの一度限りの儚さ(はかなさ)もよいが、ジュエリーを取り出す度に贈られた“時”を思い出すというのもまた一興であろう』という想いがこめられた作品です。リボンの部分には限界まで細かくした透かし彫りと、およそ20,000粒に及ぶミル打ちを施すことにより、糸で編んだレースのような柔らかさを表現。さらにアコヤ真珠、サファイア、ルビー、エメラルド、ダイアモンドをちりばめて華やかさを演出しています。

K20製 アコヤ真珠・ダイアモンド

器自体は、東洋の塔をイメージしてデザインされたものです。文様は、古来装身具に用いられてきた縄目、唐草などを使用し、粒金の技法を取り入れて製作しています。豊かな曲線と繊細な細工が印象的な作品です。

K18・銀製 南洋真珠・ダイアモンド

人間としてさまざまな面で美しく大きな花を咲かせたいという想いをこめて製作した作品。初々しい蕾は真珠で表現されています。作者自身、今までにこれだけ大きな糸鋸による透かしを行ったことがないということもあり、自らへの挑戦の意味もこめた意欲作と言えるでしょう。

K20製 アコヤ真珠

梅、竹、楓・・・そしてタガネで雪を連想させる巧みなあらしを施し、四季に想いをよせたのでは・・・。
この作品は、制作途中で病に倒れ、無念にも平成9年12月25日逝去された作者の志を継いで補作完成されたものです。

K18・銀製 アコヤ真珠・シリトンなど

秋から冬へと移り変わる季節の合唱に、色とりどりの表情を見せてくれる秋桜の美しさを箱に表現した作品です。糸鋸による透かしとタガネによって薄肉付けされた箱の透かし模様は、秋桜の葉の繊細さをイメージして製作したもので、いくつもの柔らかなラインの組み合わせが、心なごむ優しさを感じさせてくれます。

K18製・真鍮 
アコヤ真珠・ダイアモンドなど

「真珠を通して、初めて海の偉大さを感じた」という作者の心そのものを表現した作品。美しい海から美しい真珠が誕生するイメージを大きく広げたデザインです。七宝ならではの質感や硝子という素材が独特の調和を見せ、真珠の美しさをなお一層際立たせています。

K18製 ダイアモンド

作者自身の夢の中に、光の屈折によって引き起こされる幻想的な雰囲気に包まれて忽然と出現したピラミッド。そのイメージをそのままデザインした作品です。微妙に違うダイアモンドを巧みな枠づくりで補い、全く同じサイズに見せるとともに、枠留めされたダイアモンドをひとつひとつろう付けにて寄せて、四角錐を築いています。

WGK18製 ダイアモンド・アコヤ真珠

アルフォンス・ミュシャの繊細でパターン化された星をイメージした作品。プレーンなホワイトゴールドの艶やかな面、アラシ加工を施した独特な質感の面、さらにダイアモンドをちりばめた煌めく面という3つの異なる表情の“面”で変化をつけています。

銀・K18・Pt製 
アコヤ真珠・ダイアモンドなど

青い海の中を人知れず自由に泳ぎ回る魚の群。そんな南の島へ、都会の喧騒を離れて船に乗り、南回帰線を超えて行ってみたいという作者自身の想いを託した作品です。縞めのうの美しい色彩が、見る人を紺壁の海へと誘うかのような印象を漂わせています。

backtotop